ジョーという名前にはヒーローが多い。
「明日のジョー」だったり「宍戸錠」だったり、って古スギ?!
が、アメリカにもヒーローと呼ぶにふさわしいジョーがいる。
そのジョーがついにマンハッタンにもやってきた。
正式名はTrader Joe’s、個性派グルメスーパーマーケットだ。
マンハッタン在住の方、もう行ったよね?!
この店の名を初めて目にしたのはマーケティングの本。その本に載っている他の店や会社と違って、唯一、実際に「触れた」ことのない店、で「実態」を知らないだけにとっても新鮮で絶対行ってみたいと思いを募らせていたのだ。でも、地下鉄命綱の私には無理。まわりの人に聞くと、マンハッタンから行くのは難しいけど車を2時間走らせても、公共の交通機関を乗り継いで往復5時間の旅をしてでも行く甲斐ありの品揃え、クルー(この店独特の呼び方で店員のこと)はアロハシャツを着ててとってもフレンドリー、店内に入るだけでハッピーな気分になれるよぉ~と伝説が伝説を呼び込んでくる。そうこうしているうちに「おみやげ」といってオリジナルケーキなどを買ってきてくれる人もいて、「こ、これが、噂の。。。」、「行ってみたいけど行けない」と憧れの気持ちは募るばかり。ヴィトンの本店でゲットしたリミティッドエディションのキーホルダーをお土産にもらった時みたいな感じ?!
世界一のマンハッタンにも届かない夢があったのかと悶々とした数年間を過ごしていたら、2週間ほど前にNew York Timesで大きく「Trader Joe’sマンハッタンに進出!」の記事が。そして、ついに2006年3月17日の金曜日、Trader Joe’s 253店舗目となったユニオンスクエア店がついにオープン!! 私も思い焦がれた未踏のカリスマ食料品店に足を踏み入れることになった。しかも、あの伝説のパラディアム後。こうなりゃ、踊るしかない!
心待ちにしたオープン当日、お昼過ぎだったためか外には行列ができていなかった。が、予想通り店内は満員御礼。入り口からいきなりレジの列が始まっている。
商品が並ぶ棚の前にも列があり、商品をゆっくり見たくても見れない。大型スーパーに比べると商品数は少ない代わりにオリジナル商品の多さで勝負と言われるだけあって、今まで見たことが無いパッケージが店内に並んでいるのは、人垣の隙間からでもわかる。世界中を旅して、そこでしか食べれない食べ物を見つけ、それを持ち帰り、Trader Joe’s 風に作り直すために何ヶ月も何年も商品開発に時間をかけているという「カリスマストーリー」に支えられた商品をぜひ、レジまで持っていきたいと思うが、それには軽く2時間はかかりそう。
お寿司を食べたいという息子っちにその商品開発の逸話を説明し、「そのお寿司どう、買ってみようか?!」というと、「なんかアメリカっぽくって嫌だ」と冷たい。確かに本場の本物ではなく、Trader Joe'sの提案する本物なのかも。なかなか、わが息子ながら鋭い指摘。親は踊ってるけど、子は踊らされていない様子。
ということで、その日は店内をグルッと歩くだけで退散。
仕方がないから、その日はWhole Foodsで食料品を買って帰ることに。
で、この2~3日、Trader Joe’sで見学、Whole Foodsで購入の日々が続いているのである。